水彩について


はじめて絵を描いてみようかなぁと思ってるんだけど、何が良い?
という質問をうけ色々お話を聴いたうえで結論が出るトップは水彩画です
イメージでもそうでしょうが実際に一番お手軽に始められます
道具も少ないですし混色も簡単で、臭いや危険性も低いです

他の画材を使う上でも色の扱い等の慣れるための練習として、

旅先で出会った風景、庭先の花をサラリと…

実際には紙の種類や筆等も描き方によって道具は増えますが
全くの初心者の方に水彩画を体験して頂く指導に
水彩紙と絵具4色と筆2本でレクチャーをした事があるくらい手軽です

 

水彩絵具には『透明水彩絵具』と『不透明水彩絵具(ガッシュ)』があります

上の画像右のちょっと大きい3本はガッシュ 他は透明水彩

左の四角い固形状の透明水彩絵具(ハーフパン)は、
それぞれ小さなケースに絵具が充填されており専用のパレットに嵌めて使います
倍の大きさのホールパンというのもありますが各社一般的なのはハーフパンです
他にケーキパンというのもあります

透明水彩
透明度の高い固着剤で顔料を練っていますので
紙の白さや、先に塗った色を活かしながらの制作に向きます
たとえば…
青色を先に画面に塗って乾いてから黄色を塗って緑色を出したり…
パレット上での混色と画面上での重なりの混色、
はたまた逆の重ね順や混ぜる水分量の違い…
同じ色を使っても全く違った表現が出来ます
「透明」といっても全ての色が透明なわけではありません
半透明色や不透明色もあります
そして、透明の色も数多く混色し過ぎると濁ります
これは透明水彩だけでなく顔料の特性なので他の絵の具にも共通しています
黄色系は特に濁りやすいので鮮やかな状態で使いたい時は注意してください

不透明水彩(ガッシュ)
透明水彩より顔料分が多く固着剤を少なくしているので
混色をあまりしないと鮮やかな強い色が出せます
透明水彩との併用も可能ですのでちょっと強い色が欲しいなって時に!
ただし固着剤が少ないため水彩用のアルミパレットに出して乾いた場合は
パレットからポロっと剥れちゃいます
ポスターカラーはガッシュのちょっと質を落としたものですし、
水性版画絵具もこの仲間です


水彩用メディウム

水と筆があれば手軽にできる水彩画ですが、
メディウムを使うことによって更に表現が広がります
各社様々なメディウムがあります

ウォーターカラーメディウム・ガムアラビック

2品とも水彩絵具の固着剤であるアラビアゴムが主成分のとろみのある液体です
絵具の乾燥を遅らせ、延びと発色良くします
ガムアラビックはウォーターカラーメディウムより
主成分が多いので絵具の透明度と光沢が高まります
 ※注意ポイント※
混ぜすぎると被膜ができ剥離することがあります
各社適量が異なりますが数的づつ試してください

オックスゴール
にじみ止めが強いと感じる時に紙に塗る液体です
紙へのなじみを良くします
乾いた画面に薄めたオックスゴールをひいて乾燥後に描いてください

マスキング液
マスキング(部分的に塗り残しをしたい)時に
その部分をこの原液で塗り乾くとゴム状になるため
上から他の色を塗ってもはじきます
周囲の色が乾いたらラバークリーナー(生ゴム)で
消しゴムで擦るように取り除くと塗り残しができます
 ※注意ポイント※
紙の種類にもよりますが浸透しやすい状態のものだと
取り除けなくなりますので当日中に。(和紙等には使用できません)
マスキングの部分を解りやすくするために色がついています
分離しやすいので仕様前に軽く振ってください
空気に触れたところから固まってゆきますので
ビンタイプを使う場合はそのままではなく
絵皿等に少量づつ出して使う事をお勧めします
筆もゴム状に固まってしまいますので使用後は直ちに洗います
なかなか綺麗には落ち切らないので専用のクリーナーもありますが
基本的には描写用とは別に筆を用意してください